このレビューはネタバレを含みます
私のお気に入りの監督であるルイス・ブニュエルによる晩年の傑作。
初めはこんな映画もありなのかと思ったが、彼の皮肉的で自由な作風の虜になっている。この作品もいい意味で無茶苦茶だった。
不思議な世…
みんなで優雅に食事しようとするところに毎回邪魔が入るというだけの話なのだが、2時間弱見られる不思議。途中から夢になっていくので劇的な展開を何度も反復できるというのはある。
このブルジョワジー達が食事…
何重にも誰かの夢が続くことで実体が次第に隠れてボヤけていき、中心にあるはずの身体を空っぽにする。
金持ち連中にムキになって力むことなく、あくまで軽やかに風刺する姿勢はさすが。人をバカにする時はこのぐ…
ブルジョワ階級や聖職者、戦争、欧州と南米の関係などいろいろな風刺がありそうなものの、とりあえず次々に起こるシュールなエピソードを眺めてるだけで楽しい。
政治家が警察に圧力をかける場面は、リアルで笑…
人間の食欲と、ブルジョワの薄っぺらさを融合させた摩訶不思議な映画。
人間なら誰もが経験する、夢の中での肝心な出来事を何かに邪魔され目が覚めるというあの感覚。それを食欲に置き換えてひたすら訳の分からな…
店で葬式やってたり
招待した夫婦が性欲優先したり
軍の演習に巻き込まれたり
美味しい食事にありつけないブルジョワジー。
それでも毎日楽しそうな彼ら彼女らを馬鹿にしてるのか哀れんでるのか、そんな思惑…
序盤のレストランのシーン、デルフィーヌ・セイリグ、ビュル・オジエ、ステファーヌ・オードランの三人が並んで座る絵面の高級感に嘆息していると、啜り泣く声が聞こえてくる。音に導かれたブルジョワジーたちは…
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