ルイス・ブニュエル晩年のシュール・コメディ
ブルジョワ夫婦3組の奇妙な日常の出来事を描く
1973年アカデミー賞外国語映画賞
同監督の作品は「アンダルシアの犬」しか今まで見たことがなくて、シュールレアリズム映画のパイオニアというイメージしかなかったですが、本作品ははっきりとコメディで前後関係もあるしで非常に楽しめました。
食事を食べようにも性行為に及ぼうにも必ず邪魔が入る。程良くリアルで奇妙な夢で起こされる。そんな邪魔が入る一方で、彼ら自身も奇妙な行動をしてる。麻薬密売してたりテロリストに優しかったり。
それでも、作中で不都合なことが起きる時は全て夢での出来事。なので、よくある「ブルジョワが痛い目を見る」みたいなブルジョワ批判の映画ではなかった。
夢オチは笑いのギミックとしても機能する一方で、夢を深層心理の表れとすれば、いつか裕福な生活が終わってしまうというのを彼らが不安に思ってるってことになるんでしょうか。だとすれば「イキって見えるけど彼らも同じ人間なんだぜ」みたいなメッセージもはかり取れそうです。
自分はゲラゲラ笑いながら見てましたが、シュール嫌いな人は合わないかも笑