Jaya

ブルジョワジーの秘かな愉しみのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ミランダ国大使ラファエルとそのお友達ら6人が食事会できそうでできない、連続夢オチ不条理映画。ミランダが国名だと気付くのにしばらくかかりました。

ブルジョワたちが食えそうで食えない、ヤレそうでヤレない、全てに邪魔が入る展開を、シュルレアリスムというより不条理で表現。ピアノの拷問だけは本当に意味が分かりませんでした。舞台の夢、別の文学作品を思い出し、天才の考えることは同じなのかと思ったり。

ブルジョワたちは階級主義権威主義で食欲性欲旺盛。外様ラファエルも腹の裡ではバカにされ、彼ら自身がそのことに気付いていない。一本道を歩くシーンは、彼らの空虚さを痛切に表現しているように思え痺れました。

シーンごとに暗喩があるように感じられましたが、果たしてそれが真の寓意なのか分からない。きっとその目線に立つべき、縦糸となる人物がいた気がします。

その諧謔に周りから聞こえる控えめな笑い声も心地良く、決して飽きることなく世界観を楽しめた名作でした。
Jaya

Jaya