slow

ブルジョワジーの秘かな愉しみのslowのレビュー・感想・評価

4.2
目の前にそれはあるのに、欲求を満たせない。
その何故?を只々深追いせず楽しめばいい映画なのかもしれない。その愛すべき馬鹿馬鹿しさを。
生への欲求はことごとく不成就。近寄ってくるのは死の予感、死の気配ばかり。
話の展開はどれも現実に起こりそう、と言うラインギリギリを行く。そんな馬鹿な!流石にないよ!と観客に思わせておいて、スッとかわすブニュエルしたり顔(多分きっと)。
繰り返される「〜ってな話があったんですよ」と言う展開は、もはや古典芸能のようにも感じられる。このテンポが実に良くて笑えてくる。

本質を見抜けないブルジョワジーの日々。
だだっ広い一本道を日本の刑事ドラマみたく並んで歩いていく様が滑稽であるが、人生ってそんなものかもしれませんね。
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