horahuki

ブルジョワジーの秘かな愉しみのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.7
『エンドゲーム』席埋まり過ぎてて笑った…

昨日、席予約しようと思って公開初日のレイトショーの空席調べてたんだけど、すでにほぼ満席状態で前方2列しか空いてないとかマジか…。『インフィニティウォー』は前日でも予約楽勝だったと思うんだけど。

というわけで昨日『インフィニティウォー』復習したせいで今日の投稿分が無くなっちゃったので投稿する気なかったこれを。

食事もセックスも睡眠も良くわかんないことのせいで妨害され続ける金持ちたちのちょっと変わったドタバタ日常コメディって感じのお話。

前半はそんなに何とも思わなかったんだけど、夢から夢へと矢継ぎ早に展開していく後半はめちゃくちゃ好きでした。何が現実で何が夢なのかの境界が霞み、目覚めたその瞬間すら夢なのではないかと思えるほどにグチャグチャに混ざり合っていくのがとっても楽しい。そんな中で6人の金持ちが何も持たずにまっすぐ続く道をただひたすらに歩き続ける映像を挟み込むセンスの凄さよ。

まっさらな状態で生まれた後は人生を歩んでいくほどに少しずつ溜め込まれていくちょっとした不具合がどんどん大きくなったり増えていったりするわけで、真っ当な生き方をしていると周囲からの評価を得ている者であっても、それこそ金を持ってる者であっても持ってない者であっても、人間として文明の中で、社会の中で生活をしていく以上は何かしらに影響を与え、また様々なものに影響を与えられ生きているわけで、人と人との接触は摩擦を少なからず生み出し、そこから大なり小なり発生してくる崩壊の火種を常に抱えているわけだし、そこには欲望や弱さが重要な要因として挟みこまれるわけだけど、いつかやってくるかもしれないその爆発に怯えて欲望と折り合いをつけたり、弱さを見て見ない振りをしたりしつつも、歩んでいく人生という道の先に待ってるものは結局みんな同じなんだという、言葉にうまくできないんだけどそんなことを感じました。

心の深層に眠る恐怖を露骨なホラー演出で見せるところが何箇所かあるんだけど、ビジュアル的な露骨さのある本作よりブニュエルの場合には露骨でない方がホラー度が高いというのが面白いところ。

元町映画館でブニュエル特集みたいなのやるようで、『ビリディアナ』と『皆殺しの天使』を上映するっぽいですが、『ナサリン』とか『エル』とかやって欲しかった。後者2つだったら行ってた。元町映画館遠いけど…。
horahuki

horahuki