こぅ

偽りの花園のこぅのレビュー・感想・評価

偽りの花園(1941年製作の映画)
4.3
「早く死ぬがいい
その日を待ってるわ」

リリアン・ヘルマンの舞台劇、【子狐たち】の映画化で、名匠ウィリアム・ワイラー監督による、
金欲にまみれた【ヒューマン・サスペンス】。

【アカデミー賞作品賞他9部門ノミネート作品】。


20世紀初頭、米南部の小さな町。
現在の富裕な生活に飽きたらない妻が、2人の兄弟と企んで資産家の夫から事業資金を引き出そうとするが…。


冒頭〜
意表突くのどかとさえ感じる幕開けで、ハバード家に大事なお客様、マーシャル(商人)が来るというので、いきなり登場人物多めのバタバタな序盤。
これは
相関図が必要か⁈と心配したが、贅肉の無い脚本で中盤以降必要なメインキャストさえ抑えたら無問題だ。
言わずもがなな
ベティの存在もまだ薄い印象。
だが、その 頭角 を現すのに時間は掛からない。

舞台劇らしく、
ストーリー的にはあまり動きの無い会話劇で、2級なら早々に飽きてしまうネガな要素しか見当たらないが、無駄の無い濃密な台詞の応酬と演技功者のアンサンブル(1級の演出力)のお陰で飽きるどころか前のめりになる。

綿花工場建設事業の資金調達の為にレジーナと、2人の兄、ベンとオスカーは、其々75,000$ずつ出し合う事に。

レジーナの娘、アレクサンドラ(テレサ・ライト)は、堅実で汚れていない。
デヴィッドという恋人がいる。

レジーナの夫、ホレス(ハーバート・マーシャル)は、富裕な銀行主で、今は心臓病を患ってボルティモアで療養中だったが、見舞いもしないレジーナは、アレクサンドラを向かわせて帰宅させた。
その目的とは、勿論、、

オスカーの息子、レオ役でダン・デュリエもデヴュー作ながら、やっぱり⁈印象に残る 曲者役 で良いな。

終盤は、
レジーナの知らないところで動いていた裏工作(悪事)が、上手く繋がって(バレて)目が離せない展開に(悪魔の機転)。
そして、、
レジーナの 最も恐ろしい本性 が露わになる、怒涛のクライマックス を迎える‼︎

レジーナにとって、誰よりも何よりも儲け、金が一番。
夫や兄2人を相手に◯◯も厭わない、
正しく 悪魔のような胸糞女 だった‼︎
おじんに紛れる為のベティ(33)老けメイクでの貫禄演技
(娘役のテレサと実年齢10しか違わない)。


ラストは、
◯の◯にも◯⁈

事後を
脳内完結させる余白のあるエンディング。


娘のアレクサンドラは、父思いの父親寄りで良かった。
本作の救い(清い)パートを担っていた⤴︎

長めな脚本だが、極力、不必要な箇所は端折っていた印象。

撮影は、パンフォーカスの開花。


ビンタレベル
痛いのが2回あったから堂々の★★★★★
こぅ

こぅ