前作でコメディに舵を切り過ぎたシリーズが、今作でまたエンタメとして好ましい路線に戻ってきた感じの作品。
それに、今作でのギャグセンスはかなり高く、なおかつブラックな所もあり、さすが一作目を監督した三隅監督と感心してしまった。
赤子が起きないように、敵を切るシーンなど、よく考えるとかなりブラックなのだが、笑える。
市が乳を与えるシーンも勝の演技もあってこれも笑えるシーン。
ストーリーがしっかりしているのが素晴らしい。
赤子と離れがたくなっていく過程も丁寧に描かれていて、ラストは泣ける。
エンディングまでのシークエンスが少しテンポが悪いかな、と思ったが、父親を切ってしまう市の心情まで描けていて、これはアリのオチ。
そして監督のセンスの良さが如実に表れたラストシーン。
あんまの一団とすれ違うシークエンスは見事だろう。
強い者が弱い者を守る系の元祖と言える作品ではないだろうか。設定が良いのだが、原題では使い古された感があり、新鮮味がないのは残念だが、それは元ネタの宿命だろう。
シリーズの中でも上位に来る良作。
余談。
「血笑」
お恥ずかしい話だが、意味が分からなかった、というか、読み方さえ分からなかったので、ちょっと調べてみた。
「けっしょう」と読むそうで、意味は
「大きな犠牲を払って得た教訓」
だそうです。
う~ん。納得!これは理解できるとよい題名だなぁ。