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4ヶ月、3週と2日のbombsquadsのネタバレレビュー・内容・結末

4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

20221225 自分用忘備録
非人間的な社会にあっても、そこに生きているのはやはり人間なので、人間は人間らしくあろうとして抗って、蠢いて足掻くのだなー。制度の隙間を探して、融通を利かせようとし、欠乏を埋めて生きようとするのだね。

暗い社会での暗い暮らしが描かれている映画だけれども、そういう意味でどこまでも人間らしく人間が描かれていた。

目端の利くものは調達屋をしてラッキーストライクを売り、下卑た医療者は若い女の弱みに付け込もうとする。その若い女たちは、若い日を生きようとしても避妊へのアクセスが乏しく、皺寄せを受けて割を食いやすい。

賢く立ち回らなければやっていけないが、あまり賢いとはいえない友人のために、綱渡りの、かつ荒寥たる一日を送る羽目になる。非人間的な社会における世渡りの作法は弱い立場の者にはより仮借がなく、巻き添えで搾取され、辛うじて長く最悪な一日を生き延びる。

この日々が、社会が続いていくという閉塞感と、それでも生き延びたという満足感とが、二つながら心を満たした。傑作だと思った。
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