藤見実

桑港(サンフランシスコ)の藤見実のレビュー・感想・評価

桑港(サンフランシスコ)(1936年製作の映画)
4.6
初速がすごい。

新年の大騒ぎと沿岸地域の火事から始まり、女がショーマネーのギャングのところに就職で転がり込んできたと思ったらこれがめちゃくちゃ美声で歌劇場の権力者と取り合いになる。女はギャングに惚れている。それとは別に沿岸地域の再開発で歌劇場御曹司とギャングは揉めている。信仰のないギャング気質を見放されて女は逃げるわ、買収された判事に店も取られるわで可哀想なギャングだが、地震が起こり再開発の話も何もかも解決し人々は団結し明日を目指して丘に登る…

まず地震の光景がすごいSFXで感嘆する。思ったより長くて贅沢。

あんまり見られてないのかもしれないけど名作では? 冒頭の火事のシーンの演出が凄すぎる、馬鹿騒ぎから劇場に入るまで、わかんないけどこれはグリフィスがやってんじゃないのかと思う。ノークレジットだけど第二班だったみたい

ヴァンダイクは2本目だけど『男の世界』とゲーブルの役割が全く同じ。悪ガキ仲間が神父とギャングにそれぞれなって、情に熱いギャングは神父にオルガンプレゼント…って完璧に同じじゃん。
ゲーブルのボクシングシーンも見られてお得。
オペラバツバツに切って美味しいとこだけ見せてくれてうれしい(ファウストと椿姫)
お正月映画
藤見実

藤見実