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桑港(サンフランシスコ)のmichiのレビュー・感想・評価

桑港(サンフランシスコ)(1936年製作の映画)
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内容を知らず観たら、結構衝撃作だった。
正直、前半は一人の女性を巡って男二人が馬鹿げた争いをする、あまりおもしろくもない話。何せ、女が相手のちょっとした一言であっちと婚約したりこっちに翻ったり、は?と思う展開が続く。
でも終盤、突如として震災パニック映画になる。その地震のシーンが恐ろしいの何の。
サンフランシスコであんな大変な大地震があったのを知りませんでした。そりゃ造山帯だから地震が多いはずですが、まるで耐震性のない建物が跡形もなく崩れていく様、そして逃げ遅れて下敷きになる人々の姿はショッキングです。
(冒頭で地震が起きたのは朝5時過ぎと言ってた気がしますが、朝まであのパーティをやってたの??)

日本もそうですが、あんな大災害を経験して、段々に強い街ができてきたんですね。復興を予感させるラストは、こじつけ感もありますが力強さを感じます。

クラーク・ゲーブルは、『男の世界』とまったく同じ役どころ。根はいい人だけど悪い世界の顔役的なポジションで、名前まで一緒。あまり共感できません。
前述の通りメアリーの態度も論外ですが、ジャネット・マクドナルドの歌は素晴らしい!ミュージカル界のスターだったようです。
「主よみもとに近づかん」の歌はぐっときました。群衆と歌う「リパブリック讃歌」も圧巻。ミュージカルと言うよりショーや舞台のシーン多い作品という感じですが、「ファウスト」や「椿姫」のダイジェストまで見られて嬉しいです。ストーリーは別にして、歌うシーンは本当に良かった!
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