じぇいらふ

喜劇 女は度胸のじぇいらふのレビュー・感想・評価

喜劇 女は度胸(1969年製作の映画)
4.2
人情喜劇の巨匠監督森崎東の長編監督デビュー作。山田洋次原案、渥美清出演でスタッフがほぼ寅さん。しかし作品は紛れもなく森崎テイストの傑作喜劇👍👍👍👍

渥美清の弟、河原崎健三の学は、家庭にも職場にも馴染めずクラシック音楽と教養の世界にとじこもる。そんな彼に、工場で働く恋人が出来る。

ヒロインの倍賞美津子が可愛いです❤️声がハスキーで、今風のハイカラな美人だけど純粋で姉の知恵子とはまた違う親しみやすいキャラクター。
クソ喰らえ節とかいいね笑。当時の若者文化のあり様とか新鮮。

学は頭で考えるタイプで不器用。兄はなんでも行動先で細かいことは気にしない渥美清、まんま寅さん🤣。ちょっとした誤解から生じる行き違いドタバタコメディ展開。なんだかんだあって、やっぱり最強はお母ちゃん清川虹子。結局偉そうに騒いでも、自分の下着すら出せない男どもに、最後は全てをまとめあげる。母強し😆❗️

割と長回しが多く、画面の中の対比が面白い。渥美清と親父のバカ喧嘩が続く中、手前の清川虹子母の微動だなしない対比。教養と無縁な大衆的下町の家庭と、クラシック音楽とゲーテの詩。川辺の掘立て小屋と有名メーカーのネオンサインという高度成長期時代の日本の二面性、、、等々。

この時代から女性の生き方、セックスワーカーへの偏見問題等、今の時代を先取りしていて驚く。家庭が色々あって壊れていったとしても、山田洋次とはまた違う、森崎東らしいクールで自立した家族や人間の捉え方はとても現代的作品だと感じる。

最後の夕焼けに2人のシーンは、作品中屈指の美しさ✨