いろどり

チャドルと生きるのいろどりのレビュー・感想・評価

チャドルと生きる(2000年製作の映画)
3.5
「人生タクシー」で好きになったジャファル・パナヒ監督。あらゆる制約を課されたイランの女性の生きづらさを描く。監督は体制批判をしたとして現在は収監中。映画製作を禁止されていた「人生タクシー」のときより15年前の今作は、イラン政府との対立を加速させたであろうことがうかがえる。男性は路上でタバコが吸えるけど女性はダメ、身分証がないとバスに乗れない、生まれた子供が女の子だと離婚されてしまうなんて、どれだけ理不尽な社会なんだろう。

チャドルとは、既婚女性が身体を隠す黒い布のこと。最近でも頭を隠すヒジャブ着用に抗議する女性たちが次々と逮捕されたり不審死するニュースを見る。パナヒ監督のような優れた才能が国につぶされてしまうなんてそんなことがあってもよいのか。イランの文化は素晴らしいのに、残念でならない。
パナヒ監督の解放を望む。
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