まくないと

チャドルと生きるのまくないとのネタバレレビュー・内容・結末

チャドルと生きる(2000年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

イランという国で女性が生きる上での理不尽さ、不便さが題材。

鉄扉を隔て交わされる会話で始まる。

最も祝福される出産という出来事の割に不穏な空気が漂う。

女の子は望まれていない訳だが、生まれた瞬間から疎まれるとは酷過ぎる。

ところで、この場面、最後と構図が同じ。

これで分かるのは、冒頭の女たちがいる所、

待合室や廊下(=世間)は、留置場(=囚われの身)と同じということ。

自由に行動したくとも、この後の展開通り、

一々制約や制限がある。

最初の鉄扉は白、締め括りが黒、というのも何か言いたげだ。

この作品の大きな特徴の構成。

5つの女の物語を見ていくが、一つが終わらぬ内に、カメラは別の女を追う。

リレーの様でもあり、オムニバスを一本に繋げた様でもある。

相当際どい社会派でありながら、この構成の面白さで重くなり過ぎないのが上手い。