うにたべたい

ウルトラマンレオ レオ兄弟対怪獣兄弟のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.3
ウルトラマンレオの映画1作目です。
本作は別のウルトラマン映画に、地域限定で同時上映されたもので、レオ終了からしばらく経った'79年4月に上映されています。
ちなみに、"別のウルトラマン映画"というのは、タイの制作会社と協同作成された異色作『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』です。
こちらはウルトラマン関係なしにギンギンに尖った怪作なので、是非、こちらもチェックして欲しいと思います。

ウルトラマンの映画は、新マンからタロウまでずっとチャンピオンまつりで上映されていましたが、チャンピオンまつりのウルトラマンはタロウ3作目が最後となっています。
レオの劇場版は本作と、また別のウルトラマン映画と同時上映されたものの2作のみで、本放送時には劇場上映されませんでした。
レオ自体が作品として低迷していたところがあって、劇場版も他作品のほうが受けが良いと踏まれてしまったのかなあと、個人的には思います。

本作は第22話『レオ兄弟対怪獣兄弟』のブローアップ版です。
レオは初期はガッツリスポ根もので始まり、その後、怪奇モノに方向転換しました。
その後でタロウのような陽気な雰囲気へテコ入れされるのですが、第22話は怪奇モノの終わった句切れに放映された一作です。
そもそもウルトラマンレオは、"ウルトラマン"と枕がついてますが、M78星雲の出身ではなく、獅子座L77星からきた別の宇宙人なんですね。
故郷の星を凶悪なマグマ星人に滅ぼされてしまい、仲の良かった弟とも離れ離れとなり地球に流れ着きました。
故郷の星のような悲劇を地球で繰り返させないため、宇宙からの侵略者から守るべく、宇宙パトロール隊:MAC隊長となったモロボシ・ダンの師事の元で戦い続けるというストーリーです。

本作は、リットルとガロンという2体の兄弟怪獣が登場、レオのピンチを救うため、生き別れだった弟・アストラが初登場する回ですね。
名作回なのですが、ぶっちゃけ前段のストーリーを知っていないとわけがわからないのではと思います。
加えて、この規模の話であれば前後編にして欲しいところなのですが、普通に一話分で詰め込みます。
そのため、怪獣の登場は唐突だし、スポーツクラブのオーナーはいちいちセリフが説明くさい、おまけに生存が絶望的だったはずのアストラが、なぜ生きていて、どういう経緯で地球にたどり着いたのか、今まで何をしていたのかの説明はなく、ピンチに突然現れて、いきなり共闘を始めるという超展開が繰り広げられます。
生き別れの兄弟が再開したシーンのはずなのに、どうも感動が得られなかったのが残念です。

とはいえ、サブウルトラマンのインパクトは強く、登場すると盛り上がりますね。
レオのストーリーでも特に心に残る一作だと思います。