このレビューはネタバレを含みます
changeling=取り替え子を扱ったスリラー、サスペンス。
イーストウッドの同名映画とは無関係(のはず)。
ホラーとサスペンスをうまく融合させたストーリー展開が見事。前半は屋敷のポルターガイスト的な現象で怖がらせてきて、後半はホラー要素を引っ張りつつデヴィッド・フィンチャーぽい感じの謎解きへと転換していく。
冒頭の主人公が妻子を交通事故で失うシーンのコンパクトさから始まり、説明的シーンは最小限に絞っているのが好印象。屋敷の中を、誰かの視線を担うかのようにゆっくりとドリーショットで舐めていくシーン大好き。また、それまで気丈に振る舞っていた主人公がいよいよ参ってしまうボールのシーンが白眉。意思を持ったかのように転がってくるボール(愛娘との想い出のアイテム)を気味悪く思って川に捨てて家に帰ってきた途端、同じボールが階段をポン、ポンと転がってくるシーンの恐怖。ドアップのボール越しにドアに倒れかかる主人公を映す構図の妙。
ホラーパートはベタなこともやりつつ安っぽい印象は感じさせない良質な仕上がりだった。サスペンスパートは、議員のくだりになると消化試合になってしまい、さらにどんでん返しがあれば名作の域になってた気もする。
