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マイ・リトル・ガーデンのmhのレビュー・感想・評価

マイ・リトル・ガーデン(1997年製作の映画)
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ワルシャワ蜂起のあと瓦礫と化したワルシャワ・ゲットーユダヤ人居住区を生き延びたひとたちのことを「ワルシャワのロビンソンクルーソー」もしくはもっと簡単に「ロビンソンズ」と呼ぶらしい。有名なのはいわずもがなシュピルマン。
そんなロビンソンズのひとり――この映画の主人公は子どもで、まさにそのロビンソンクルーソーの小説の切れ端を心の支えにして生き抜いたというお話。
この映画の主人公が隠れ住んでいたのは二ヶ月にも満たない短い(?)期間なんだけど、いろいろ工夫をして隠れ家を作る過程や、緊張感を伴う命懸けのかくれんぼのおかげでずっと面白い。
どっかにいるからシュピルマンを探して! とか、絶対にありえんことを思ってしまった。もっとも見つかったところで役に立ちそうにないんだけども。
この映画の主人公も医者やレジスタンスや友だちの家族やドイツ兵に救われてる。戦争をそういう方向から描くのが素晴らしい。
こういう映画に出てくるいいひとみたいになりたいもんだね。
「戦場のピアニスト」の5年前に作られている映画なのでそれなりに価値は高いと思う。1997年はほかに戦争映画の傑作「ライフイズビューティフル」があるのでその影に埋もれた感じになってんのかもしれない。
ラストの一枚スライド、「彼はその後、有名な作家となった」も効いてるし、こういう映画にふさわしいと思った。
小粒感もあるんだけど、いい話で面白かった。

余談
IMDbによれば正しくはデンマーク映画っぽい。
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