一人旅

マイ・リトル・ガーデンの一人旅のレビュー・感想・評価

マイ・リトル・ガーデン(1997年製作の映画)
4.0
ソーレン・クラーク=ヤコブセン監督作。

二次大戦時のユダヤ人居住区を舞台に、ナチスによって連れ去られた父親の帰還を隠れ家で待ち続ける少年の姿を描いたドラマ。
『アンネの日記』の少年版のような作品。緊張感のある演出が印象的だ。接近してくるナチスの足音にビクビクし、いつ捕まるかも分からない恐怖を日々味わう少年。ナチス将校が少年の隠れた穴をのぞき込む場面に緊張が走る。ナチスに発見されないことはもちろんだが、本作にはサバイバル的要素もある。水も食料も乏しい中、自ら隠れ家を築き、必要な物資を確保しながら何とか生き延びようと奮闘する少年の姿を映し出している。また、外の世界で自由に生きる市民たちとの交流や、偶然見かけた少女との淡い恋模様も描かれる。父親の帰還を信じて一人孤独に待ち続ける少年の姿は感動的だ。ただ、主人公の少年を演じた俳優の顔が全く可愛らしくない。声だけはやたら高くて可愛いのだが、顔は完成された大人の顔をしていていまいち感情移入しづらかった。
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