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何がジェーンに起ったか?のmのレビュー・感想・評価

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)
3.5
語り継がれるだけある作品。
この悲劇を体験している人間がどれ程いるのだろうか。

『ミザリー』の不完全燃焼を解消してくれた恐ろしい作品。
観終わった後に重いなぁとしみじみ思ってしまったよ。
ホント、ジェーンになにが起こったんだよ…悲し過ぎるよ。

かつて子役として活躍したが大人になって鳴かず飛ばずだったジェーン(ベティ・デイヴィスさん)
子役としてはパッとしなかったものの大人になって大活躍したジェーンの姉ブランチ(ジョーン・クロフォードさん)
このハドソン姉妹の愛憎劇。

ひたすらにジェーンが可哀想。
いや、被害にあったブランチの方が可哀想なのよ!
ジェーンがブランチにしてること恐ろしいからね、めっちゃ怖いから。
ブランチをいじめ倒すジェーンほんと、狂気だから。
なんだけど、ジェーンに味方する人間っていなかったんだなぁと思うと悲劇。

親が教育を放棄した罪は重い。
泣きながら踊るジェーンに打ちひしがれた。
後半になるにつれジェーンの不安定さが増していく。
受け入れられない現実とうまくいかないもどかしさ。
苛立ち、憎悪、また期待、そんなジェーンの感情が爆発していく様はとても好き。
ベティ・デイヴィスさんの怪演もあり、ジェーンの人間くささがとてもツボに入った。

ラストの笑みはまさに狂気。
だけど、哀れだし不可思議だし、愛おしく悲しい。

私たちは自分の行いを俯瞰できているのだろうか。
ジェーンのような人を滑稽だと笑えるのか。
私はこんな未来にならないように生きたい。

昔の作品ということもあり、少々中だるみアリ。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ★★☆☆☆
感情移入・共感 : ★☆☆☆☆
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