Jeffrey

ヴォイツェックのJeffreyのレビュー・感想・評価

ヴォイツェック(1979年製作の映画)
4.0
‪「ヴォイツェク」‬
‪ヘルツォークの本作は主演のキンスキーの繊細かつ怪演とも言える芝居が素晴らしく恐い…本作は元兵士が殺人に至るまでの物語を異常な空間で繰り広げられる狂気と貧困に喘ぐ1人の兵士目線で語った異色作で物静かな映画だがスロモや映像演出、音楽が印象的で心に響く傑作だ。この作品はドイツの演劇の偉人、ゲオルク・ビューヒナーの未完成の戯曲を映画化したもので、空間は2つのショットによって示されている。1つが広角レンズによって捉えられた空間の全景をとらえたショットに象徴されるカメラの前に広がる世界をそのまま捉えようとするショット、もう一つはアップで捉えた細部の映像である。これは映画評論家の樋口泰人氏が言っていたことなのだが、この2つのショットによって構成され、退屈なほどそれが反復される。それは数々のショットやカメラの複数の視線の積み重ねによって空間を構成しようと言う意思がないとの事である。 ‬
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