CANACO

グッドフェローズのCANACOのネタバレレビュー・内容・結末

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

マーティン・スコセッシ監督作品。レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシ出演。レイ・リオッタは2022年5月に逝去したそう。

1955年から1980年にかけてニューヨークのマフィアに属していたヘンリー・ヒルという実在した男の物語。原作もあり、ニコラス・ピレッジ著の『グッドフェローズ』を基にしている。

マフィアに憧れ、11歳から使い走り等をこなしてきたヘンリーが、晴れてマフィアの一員になり、あらゆる悪事に手を染めていく。が、ボスに内緒で続けていたクスリの密売がバレて命を狙われ、最終的に命惜しさに組織を裏切る物語。どうしようもない。

内容的にはかなりハードで、たけし映画とやっていることは大差ないのだが、演出が違うので、優雅にすら見える。
ヘンリーを演じたレイ・リオッタとジョー・ペシは初見だったが、印象に残る。特にジョー・ペシが演じたトニーは、冗談好きだけどせっかち、キレやすい、悪いことに“手も出る”クセ強・狂犬キャラを完璧に演じていた。アカデミー助演男優賞に納得。

組織の“頭脳”を担うジミー役は、長年スコセッシ監督とタッグを組んでいるロバート・デ・ニーロ。元どーよのテルさんがやっていた物真似の、あの時代のデ・ニーロ。思うように動かない仲間たちに苛々しながら調整する若頭を抑えめに演じていた。

「グッドフェローズ(いい奴)」は、口を割らない、仲間を売らない奴のことらしいが、この物語はその言葉をシニカルに裏切る。そもそもが体のよい言葉で、保身のためなら簡単に翻ってしまう。
家族ぐるみの付き合いも、オープンにできない893だからで、美化された“仁義”は感じない。言葉とは裏腹のどうしようもない関係。それを描いたのがよい。
スコセッシ監督は、本作を街頭ドキュメンタリーの精神で撮ったという。映像は美しく、“美化”と“盛り”が少ない。おもしろい。

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見終わってから、ルフトハンザ航空現金強奪事件のトラックでミスったスタック・エドワーズを演じたのはサミュエル・L・ジャクソンだったと知り、再鑑賞しました(笑)。

エキストラで出演しているヴィンセント・ギャロは、そのサミュエル・L・ジャクソンが最初に登場するシーンの直前、バー店内で主要メンバーがカウンターに座っている後ろでトランプしている二人組の左だそうです。これは調べないとわからないですね……。
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