アラカン

グッドフェローズのアラカンのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
4.2
どこまでが脚色なのかは分からないが今まで見た裏のお話の中でも三指に入るくらい生々しかった。前口上のない世界、金と暴力が何よりの意思表明になる環境で自分を客観視するにはあまりに狂気が蔓延し尽くしている。いくつものターニングポイントを突き進み隆盛を見たのも束の間。結局主人公一家のみがほどほどの暮らしに落ち着けたものの、そこに至るまでの犠牲や被害があまりに大きすぎた。日本では些細な衝突がすぐに命のやり取りに繋がることに準えて侍とヤクザを結びつけることが多く、よく仁義に篤いアウトローなどのイメージが我々庶民の間に横行するが、彼らの生きる世界ではもちろん仲間との繋がりを大切にする面と併せてもっと無機質で作業的なこうした側面が大きいのではないだろうか。それに一連の流れから彼らの持っていた仲間意識も見返りを求めない義理人情というより徹底的な利己主義からくるもののように感じた。
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