ギャングって、カッコ悪いし、しょうもない奴らなんだよ。
金のために平気で人を殺すし、強過ぎる仲間意識も裏切りを抑止するためだし、本当の意味では仲間を信頼できていないんだよな〜。
ギャングがクスリに溺れていく様とか、警察に怯える様とか、身の保身のためだけに動く様とか、なんか人間的で共感はできましたが。
ロマンを排除してリアルスティックにギャングを描いていて、こっちのほうが現実をわからせるためには効果的なんだろうな。
ギャングなんかに憧れたらダメだぞ〜というマーティンスコセッシの声が少し聞こえてきました。
でも、とはいえ、デニーロは若いのも相まってめちゃくちゃカッコ良かったし、カリスマ性が爆発しており、かなり魅力的だった。
それにギャング映画自体、人間を描くにはうってつけのジャンルだし、やっぱり見る分には好きなんだよな。
日本のヤクザ映画も然り、やっぱり観てしまいますね。
あと、スコセッシの映画を何本か見ていると、彼の趣向がわかってくる楽しさもありました。
カット割を多くしてテンポよく展開したかと思ったら、ワンシーンをしっかり撮って長回しっぽく見せたりする。
僕は特に後者の手法が好きで、不穏さや緊張感のある会話を描くのが本当上手いんだなー、と感じた。
思えば「キラーズオズザフラワームーン」は、そんなシーンが盛りだくさんに詰まっていたから、3時間半ずっと嫌な気分だった。
人が堕ちていく姿や追い詰められていく様、そしてその成りの果て。
それは、映画で見る分には最高だが、現実では最悪。
でも、それこそが、映画鑑賞の特性であり醍醐味なのかもしれない。