このレビューはネタバレを含みます
すごく評価が低いように感じるけれど、
私にとってはとても素敵な映画だったな。
母親から充分の愛情を受けることができないボビー。
ある日、2人が暮らす家にテッドという老人が下宿することに。目が悪いという彼の頼みで毎日一ドルで新聞を読んで聞かせることに。そんな日常で2人には絆が生まれる。
テッドには2人の親友がいる。
1人は男の子。もう1人は女の子。名前はキャサリン。
テッドと親友2人との時間は、ボビーの少年時代を輝かせます。
キャサリンとの遊園地でのデート。
水辺で3人で過ごした夏。
いじめっ子にキャサリンが殴られ、背負って助けを求めたあの日。
テッドが悪者に連れ去られたバー。
母親にお金を投げつけ、いつも嘘つきだと初めてぶつかった夜。
楽しい思い出ばかりじゃない。
でもどれも大切で忘れられないものばかり。
大人になるとアトランティスは消えてしまう。
テッドはそう言ったけれど、ボビーの心にはいつまでもアトランティスが存在し続けたように私は感じた。
ボビーとキャサリンの2人のシーンは通り抜けてしまいそうなほど繊細で柔らかくて美しい描写。
母がオシャレをするシーンは、ボビーを蔑ろにしててめちゃくちゃムカつくんだけど可愛らしくてオシャレで。
テッドとの時間は、子ども同士では生み出せない不思議な時間。心が読めるとか読めないとか関係ない。2人は友達。ただそれだけ。
私も幼少時代の忘れられない思い出いっぱいあるな。
大人になって汚されることもあるけれど、いつまでも大切な思い出は大切な思い出として残しておきたい。
原作は本ということで、絶対読みたい。
ボビー役のアントン・イェルチン。
すべて見透かされそうなあの瞳に引き込まれた。くるくるヘアも可愛すぎ。
事故で27歳という若さで亡くなったなんて。きっと素敵な俳優さんになったんだろうな。でもこの作品で出会えてよかった。