うにたべたい

五人ライダー対キングダークのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.3
仮面ライダーX 劇場版2作目。完全オリジナル作品です。
公開は1974年7月25日。
キングダークの登場がその直前の7月13日で、入れ替えでアポロガイストが退陣しています。
Xライダーは後半視聴率が下降傾向にあり、テコ入れが行われていたので、本作は新たな大幹部「キングダーク」の印象付けを兼ねたものと思います。
上映された時期は巨大ロボットアニメの全盛期で、本作が上映された東映まんがまつりもメインは『マジンガーZ』だったようです。
キングダークが巨大ロボットの姿なのも、その流行に乗っかった結果なのだろうと思います。

立花藤兵衛と一緒にオートバイの訓練を行っていた神敬介は、突然、GODの悪人軍団に襲撃されます。
Xライダーに変身してこれを退けたのですが、その目的がわからずに首を傾げます。
一方で、都内に住む少年は床下から奇妙な声を聞き、これを知らせるためXライダーのところへ向かうところ怪人に襲われますが、ライダー1号に助けられます。
翌日、別の場所でやはり少年たちが次々襲われますが、駆けつけた2号ライダー、ライダーマンによって退けられます。
GODによって誘い出されたXライダーは、GODの再生怪人軍団に襲撃されますが、1号、2号、V3、ライダーマンが集まり撃退する。
だが、GODの計画は謎のままであった、果たしてGODの陰謀とは何なのか、勢ぞろいした5人のライダーたちは陰謀を止めることはできるのか、という内容です。

本作ではプロトンロケットと共に爆散したライダーマンが何気に復帰します。
ただ、顔の下半分が丸見えのライダーマンでは役者が違うのがまるわかりなので、別人が成り代わっているが他のライダーが気づいていないように見えて軽くホラーでした。
ちなみにライダーマンは作中、タヒチから駆けつけたと言っています。
この"タヒチから駆けつけた"設定は後の関連作品で使い回されているので注目ですね。

テレビ本編ではまだ無かった、先輩ライダーとの共演が見られる作品です。
1号・2号に改造されたV3とは違い、初めましてのはずなのですが、当然のように一緒に戦うのは違和感がありました。
また、ライダーは5人集合するのですが、唯一変身シーンだけ、おそらく別撮りで藤岡弘らが演じていて、それ以外は仮面の姿です。
人間の姿で言葉を交わすシーンは無く、そのため共闘しているという感じがしませんでした。
一応5人ライダーが登場しますが、個人的には盛り上がれなかったのが残念なところです。

ただ、劇場版お約束の、高いところから怪人たちの名乗りが本作でも聞けたのは良かったです。
個人的に長坂秀佳脚本時代の神話怪人勢が好きなので、ネプチューンやメドウサや鉄腕アトラスが登場したのは興奮しました。
でも、弱い、再生怪人の宿命か。
特に必殺技でもないライダーたちの投げやパンチで山積みになって爆散します。
怪人が立花藤兵衛の喫茶店に客として来店しているシーンがあり、それはそれで笑えましたが、見せ場がそれだけしかなく、もう少しなんとかならないものかと思いました。
結局のところGODの計画もよくわからず、雑さがあります。
いまいち微妙な劇場版でした。