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花様年華のandesのレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
3.6
「大人の」というイメージがよぎるが(そういうレビューも散見される)、「さっさとヤッて…」という方が大人な感じもするので、プラトニックな物語という印象(と言いつつ、マギー・チャンの思わせぶりな仕草など、しっかり致してるのかもしれない)。
ドイルの映像や美術が大きな特徴なので、物語以上にルックに乗れるかは重要な要素だろう。実際に美しいシーンは多く、魅力全開の主演二人とも相まって、画面の力はある。
誰もが気づく「チャイナドレス」だが、時間の経過を表す効果もある。ただ、非常に分かりづらいストーリーテリングなので、どれが『真実』かの判断は難しい。途中から「小説を書く」という行為もあるので、「わならなさ」に拍車が掛かる。
一方、要所で文字による「解説」が入るので、どういう映画かはわかるようになっている。意外と親切だ。あとはシチュエーションを楽しめば良い。
「花様的年華」のシーンなど求心力がある場面もあるものの、全カットに熱が入っているので、個人的には単調に感じられる嫌いもある。後半、シンガポールやカンボジアのくだりはウォン・カーウァイ的なロマンチシズムなのだろう。男女はすれ違うものなのだ。靄がかかった想い出の女、そんな経験は男にとって幸せだったのか、はたまた…。
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