【古谷実×園子温の化学変化】
原作を観てなかったのですが開始1時間位してやっぱり原作観なきゃダメだと一旦停止して原作をまず読んでみた。
んんんん。
古谷実のねじ曲がった感情と園子温のストレートな感情が重なり化学変化を起こす。
多分、押見修造の惡の華も園子温の手にかかるとストレートな映画になるんだろうなぁ。
結果から言わせてもらうと原作ファンなら映画は観ないほうがいいし原作を観てないならこれだけを観たほうがいいのかもしれない。
原作を比較した上でいうと古谷実はギャグ漫画を描く上で常に面白い事を要求され精神的に病んでしまった。だから「稲中」以降少しずつその病魔は彼を侵食する。それは造られたものではなく彼自身からにじみ出てくる魂のどす黒い部分。しかし園子温のストレートな感情は造られたものなんだよね。造形が天然に及ばないようにやはりこの組み合わせ少し無理があったのかな。だから原作と映画はラストが違います。そして僕は原作のラストが好きです。
そして大人は簡単に「夢を持て」だの「頑張れ」なんて言うけど思春期まっただ中の彼らや人生に絶望している人たちにとってそれは苦痛でしかないんだよね。それはこの舞台にもでてくる震災被害を受けた人たちにも通じるもの。
でも園子温は叫ぶんだよね。
「それでも頑張れ」って。
バカでもなんでもいいからとにかく「生きろ」って。
それでも「うるせーよ」って捉えるか少しずつでも前に進むかはその人次第なんだけどね。
ただ強い人は弱った人には劇薬なのかもしれない。
震災被害者や心に闇を持ってしまった人にこの声は届いたんだろうか…
そればかりが気になる。
あ、二階堂ふみと宮崎あおいって似てるよね。今回はじめて可愛いって思った。
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