このレビューはネタバレを含みます
生涯の宝物作品です!
31年前
高2・・・思春期の自分は一人で映画館に行った
「JAWS」「未知との遭遇」で活躍中の熱血漢:リチャード・ドレイファス
「ふたりだけの微笑」で一目惚れしたエイミー・アービング
そんな二人の夢の共演だ
冒頭・・・窓の外は雪がチラつく部屋で一人、静かにピアノを弾く仕草のリチャード。
そこに1本の電話が鳴ると、音楽がせわしなくなり、
彼は真剣な表情で正装に着替えてゆく。
クリーニングされたタキシードとシャツがドアに掛けられると、そこにタイトル
「THE COMPETITION」
カッコイイ出だし~これだけで本作を好きになってしまった
そして、全編、期待を裏切らなかった!
甘く切ない映画で、大好きな映画・・・という印象がずっと残っている
この作品もDVDを熱望してきたが未発売で、レンタル落ちのビデオを近年、ヤフオフで購入し、40代になって観直した。
やはり素晴らしい!
「主演二人の熱演」~なんといってもエイミーの弾くプロコフィエフは圧巻だが、全編、リチャードのひたむきさも心を打つ
この二人の全身全霊の演技は見事と言うほか無い
「監督の演出・編集の見事さ」~繰り返し観れば観るほど、その編集の見事さ、カメラショットや展開の順番、各キャラクターの描き方など、監督の演出も素晴らしい!
コンペらしい張り詰めた緊張感も、全編によく表現されている
「ストーリーの素晴らしさ」~年齢制限での出場、就職の焦り、父親の重い病、次々に襲い掛かる人生の現実を味わいながらも、ひたむきに懸命に生きるリチャードに共鳴する!
そして、惹かれ合う二人の心のひだを繊細に描く、極めて良質なラブ・ロマンス
そのラスト・・・
運命はエイミーを優勝させ、後の無いリチャードに止めを刺す
なんというストーリー!
泣けた!
しかも最後はリチャードが「理屈」を越えた「人情」を見せる
(理屈では別れるのだが、ふらっと戻ってくる)
こんな展開は、なかなか見られない
人間の深みも描く
「ピアノ曲の選曲とオリジナル曲の素晴らしさ」
~リチャードの弾くベートーベン「皇帝」と、エイミーのプロコフィエフ「ピアノ協奏曲:第3番」が、どれほど画面とマッチしていたことか!
そして、ラロ・シフリンのもの悲しいオリジナル曲も、とても素晴らしい
サウンドトラックCDは、名盤で今もよく聴きます
鮮明な画面で観れず、誠に残念ですが、
自分としては、「シネマ・ニュー・パラダイス」同様、
まるで奇跡を観てるがごとく、
どの場面も素晴らしく、
完璧な映画なんです!
青春の大切な1作!
生涯の宝物作品です