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愛しのシバよ帰れのseapony3000のレビュー・感想・評価

愛しのシバよ帰れ(1952年製作の映画)
5.0
アル中が立ち直りかけてるらしい指圧師(仕事してるシーン一切でてこないけど)と、怠け者な主婦の夫婦ふたりの見た目がやけにバランス悪くてみはじめから期待が高まる。医師になるはずが指圧師に。昔はモテたけどいまはおしゃべりでおせっかいおばさんに。バートランカスターの神経症ぶりも素晴らしいけど、ここは妻役のシャーリーブース、主演賞総ナメは納得。夫のことはダディもしくはドクと呼ぶ。天真爛漫で心優しいのにすべての言動が鬱陶しくてスリルがすごい。そこに下宿人の学生テリームーアがフィアンセいるのに筋肉バカのリチャードジャッケルを連れ込む。倦怠期何周もしてる中年夫婦を掻き回すには容易い。潔癖症のランカスターは神経をヤラれ、退屈なシャーリーブースははしゃいで覗きに夢中。原因なんてものよりも日々の馴れ合いの積み重ね…ってみながら痛切に響いてくる。そもそもちぐはぐなカップルなのにひとりでは生きられないふたりの何度目かのやり直し。愛なのか依存なのか、どっちでもいいか。なにかっつーとみた夢のハナシ、またそれで〆るラストもいい。
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