ベビーパウダー山崎

Tommy/トミーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

Tommy/トミー(1975年製作の映画)
4.0
宗教の映画といえば…ケン・ラッセルが本気でぶつかってくるので、また俺も本気で見返してしまった。沈んでゆく陽をバックに父親が立ち尽くすオープニングから、すべてを失った息子がだからこそようやく自由を手に入れたのだと昇りゆく陽を背負う力強いラストまで。何度見ても感動して泣いてしまう。ケン・ラッセルの1与えられたら1500倍ぐらいにして見(魅)せていく創造の誇張、これが過剰とかヤリすぎとかではなく、このテンションが表現、芸術、映画の基本。中盤で登場する思わぬ美声のジャック・ニコルソンが良いアクセント。オリヴァー・リード(人間のゴリラ)はケン・ラッセル映画で騒いでいるときが一番楽しそう。俺のなかのティナ・ターナーのイメージって、このアシッドクイーンで固定されている(もしくはLiLiCoのものまね)。ケン・ラッセルは最高だ、今日もまた生きよう。