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スキャンダルのmaverickのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2003年製作の映画)
4.0
2003年の韓国映画。『冬のソナタ』の出演で知られる「ヨン様」こと、ペ・ヨンジュンの映画初主演作。


韓国では公開4日間で動員110万人を超え、数々の記録を打ち立てた。日本でも「冬ソナ」ブームにあやかり大ヒット。うちのばあちゃんも劇場にわざわざ観にいったらしい(笑)。ヨン様人気恐るべし。「冬ソナ」は母親も好きだった。

本作は1782年のフランスの古典恋愛小説『危険な関係』のリメイク。時代を李氏朝鮮時代の韓国に置き換えた斬新な設定となっている。『危険な関係』は様々な国で作品化がされており、そのアレンジも様々。日本では宝塚歌劇団が『仮面のロマネスク』というタイトルでミュージカル化。初演は1997年の雪組公演で、高嶺ふぶき・花總まりのコンビ。その後、2012年宙組で大空祐飛・野々すみ花主演。2016年花組で明日海りお・花乃まりあ主演。2017年花組で明日海りお・仙名彩世主演で再演された。

こちらの韓国版は元々の話のどぎつさはもちろんだが、官能描写が突き抜けて過激である。清純派であるペ・ヨンジュンも大胆なシーンを演じ、共演のチョン・ドヨンも美しい裸体を惜しげもなく披露する。とにもかくにも生々しさに溢れており、それが男と女の痴情を際立たせている。

ペ・ヨンジュンのプレイボーイっぷりは様になっており、悪くない演技であった。しかし、本作での一番の熱演はチョン・ドヨン。美しく大胆な脱ぎっぷりもそうだが、揺れ動く心を繊細な演技で表現した確かな演技力に目を奪われる。彼女の熱演により、この物語もより切なさを増す。なまめかしい官能描写のイメージが先行して色物的な扱いを受ける本作であるが、彼女に注目して観てもらえればその印象も大きく変わるはずだ。


男のプレイボーイっぷりに腹立たしくもなろうが、ラストは何とも切ない。真実の恋を見つければ、人は変われるのだろう。


微妙な匂いがしていたが、これは観てよかった。チョン・ドヨン目当てだったが、そこは期待通り。作品の出来も悪くない。この時代の衣装などの美しさも目を引く。色んな恋愛を経て、年齢を重ねるごとに本作の良さも増すのかも。数十年後、改めてどう感じるかな。
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