ShinMakita

首のShinMakitaのレビュー・感想・評価

(1968年製作の映画)
-
☆俺基準スコア:2.6
☆Filmarks基準スコア:3.7







……死骸が、死骸が腐りかけてる。僕はどうしても、どうしてもこの首を……


昭和19年、茨城県中原郡青倉の小さな亜炭炭鉱で1人の炭鉱夫・奥村が花札賭博で逮捕され、取り調べ中に脳溢血で死亡した。炭鉱夫長の岸本と炭鉱オーナー滝田静江は、奥村が実はヤミ絡みで尋問されたと知り疑念を抱く。そして2人は、東京の弁護士・正木に相談した。正木は死因をハッキリさせるため司法省に出向き解剖を依頼。さらに警察の暴行があったという告発状も用意する。だが担当検事・田代は敵意を剥き出しにして……


「首」


既に戦争状態にある日本で、官憲に堂々と喧嘩を売った弁護士の戦い。その無茶っぷりにハラハラさせられるサスペンスです。検事の神山繁が見せる陰険さも良いんですが、なんと言っても首切り職人の不気味さが特筆モノ。ほとんどホラー映画ですよ。茨城から東京への脱出行はまるで昨日観た「カンダハル」ですよ。途中でパンクもするし^_^

戦争さえ無ければこんな酷い人権蹂躙は起きない…という小林桂樹の思いが全く違っていたことを我々は知っています。それがなかなか切ない。
ShinMakita

ShinMakita