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夜の牝犬の一のレビュー・感想・評価

夜の牝犬(1966年製作の映画)
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夜の青春シリーズ6作目も相変わらず面白い。今回は趣向を変えてお化粧したゲイボーイで男妾の辰ちゃん。一方魔子ちゃんはヤクザの親分の2号に収まって、“合う”ふたりが図々しさを切磋琢磨して大金を狙う。そして動物園で動物を見ても食べることしか頭にない、刃物を持たせると危険な女こと青森の田舎娘・大原麗子が素晴らしい。今回に至っては主演2人はもちろん、上野駅の女衒婆さん浦辺粂子(去り際はいつも「覚えてやがれ」)もヤクザの姐さん沢村貞子までシリーズお決まりのキレのあるモノローグ芸を披露しているのも楽しい。「女房なんて女中とパン助が一緒くたになったようなもん」と『婚期』の高峰三枝子ばりに言い捨てる魔子ちゃん目覚ましかった。セミドキュタッチのロケーション撮影と八木正生の劇伴も良かったです。
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