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鏡の中のマヤ・デレンのsonozyのレビュー・感想・評価

鏡の中のマヤ・デレン(2001年製作の映画)
3.5
先日『午後の網目』を見た、実験/前衛映画・視覚芸術のパイオニアと言われる、マヤ・デレンのドキュメンタリー。

ダンス・カンパニーの秘書をやっていた頃、打楽器が鳴ると我慢出来ず踊りだした。
鏡が好きでよく作品のモチーフに使っていた。
小柄な身体だが、エキゾチックな容姿、ありのままのウェーブヘア、パワフルなキャラでどこにいても注目を浴びた。
ハイチで音楽、踊り、ブードゥー、トランス、シャーマン文化にハマる。
感情が激しく、怒った際に何かが乗り移ったように冷蔵庫を投げ飛ばしたこともある。
傷つきやすく、パーティー前には尻に覚醒剤を打っていた。

晩年は長年貧乏で栄養失調。お金が入っても愛猫の餌に使ってしまった。
44歳で亡くなった彼女を看取ったのは、最後の夫、18歳年下の作曲家・伊藤貞司。
彼女の遺灰は富士山が見える東京湾と太平洋の船の往来が多い海へまかれた。...etc
アバンギャルドな映画の女神の生涯に触れられました。

いつも変化の過程の途中にいる。
すべてを"何かになりつつあるもの"として見る。
何もかもが変化の途中。...
という、"女性特有の時間感覚"が私の作品の特長と、マヤは語っています。
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