よしまる

いつも2人でのよしまるのレビュー・感想・評価

いつも2人で(1967年製作の映画)
4.7
 映画「オードリーヘプバーン」公開記念レビューその5

 公開も迫ってまいりましたのでピッチ上げていきます(てか、自分でもいつまでやるのか考えてない😅)

 オードリー出演作の中でどれが一番好きかと聞かれたら、迷わずこれ。

 「パリの恋人」「シャレード」に次いでオードリーを撮ったスタンリードーネン監督の3本目。過去2作に勝るとも劣らず、またそれぞれが異なったオードリーの魅力を楽しめる力作ばかりなので、「ロマ休」くらいしか知らんって方へはとりあえずこの3本をオススメしたい。

 ミュージカルの得意なドーネンらしく、テンポが素晴らしい。6つの時代を行き来する構成で、タランティーノやガイリッチー、ノーラン監督の得意とする「時系列ごちゃ混ぜ」を60年代に既にやってのけているのだけれど、これが実に巧みで面白いのだ。
 時代により夫婦の乗るクルマが変わっていく、逆の見方をすればクルマによってどの時代を描いているかを分からせる、そのことを印象付けるために、2人を追い越したクルマが別の時代の2人の乗るクルマだった、なんて粋な場面転換が随所に見られてオッ!てなる。ラストの仕掛けもお楽しみだ。

 あらすじとしてはオードリーと相手役のアルバートフィニーが、馴れ初めから恋人、結婚、出産、不倫など人生の節目節目の時代を飛び交い、ある夫婦の12年間を綴っていく。
 フィニーは英国のイケメン俳優で、あのアヌークエーメとも結婚歴がある。実年齢はオードリーより歳下だけれど、50年代に連発していた大物俳優とのロマコメよりも遥かに現実的で、オードリーの女性としての魅力はこっちのほうが輝いている。

 時代に合わせてヘアスタイルも変えるし、なによりジバンシイのオートクチュールではなくて、デパートで買えるプレタポルテを気ままに着こなしているのがイイ。

 オードリーの代名詞ともなった、顔の半分くらいある大きいサングラス🕶(フィルマのジャケ写にも載ってるね)
 バーバリーのトレンチコート、ヴィトンのバッグ(60年代ですよ?!)、赤いセーターにリーバイスのデニム、真っ赤な水着、素肌に男モノのシャツ、そして黒のエナメルスーツ!
 ファッショニスタ・オードリーを観たいならこれが決定版であることは間違いない、まさに眼福の時間。

 さて、こんな記念レビューとかしてよほど好きなのではと思われる方もいらっしゃるでしょーけれど、別にオードリーを好きなのではなく、彼女の出ている映画がどれも素晴らしいのでこの機会におさらいをというだけ。
 でも、この「いつも2人で」に出てくる各時代のオードリーに関しては別格。
 好きな人が出来てはしゃぎ回る姿、かの有名な工事現場の標識を真似る彼女の愛らしいこと!
 夫の隣でクールに佇みタバコをふかしたり、シレッと不倫したり、ケンカしても嫌いになれなかったり、等身大のオードリーがこんなにもステキな女性なのかと思い知る。物語は無いと言えば何も無い、でもどこを観ても楽しめるからやはり本作はボクにとっては一番なのだ。

 追伸

 ただ、、冒頭、バスのシーンで出てくるジャクリーンビセットが好きなんだよなぁ😅
 トリュフォーは、この映画でジャクリーンではなくオードリーが水疱瘡になれば良かったのにと、のたまっていたそうw

 ええ、同意しますともww