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いつも2人でのQIのレビュー・感想・評価

いつも2人で(1967年製作の映画)
3.7
【午前十時の映画祭12】

“夫婦生活のパスポート”

ヘプバーン後期作品の代表作

内容は関係が破綻しかけたある夫婦を描いたロードムービー&コメディ

特徴的なのはその時間軸の描き方。

二人の出会いから現在まで6つの時間軸を行ったり来たりするのですが、ともすればわかりにくくなるところをその時々の二人の心情や出来事をきっかけに時間が移動するので、二人が過ごした時間全体を俯瞰して理解することができます。

そして時間軸毎のヘプバーンのヘアスタイルや登場する車の違いでいつの出来事かわかるのも親切。

さらに時間を切り替える瞬間にちょっとしたリンクをもたせているのも楽しい。

描かれるのは夫婦生活で起きる様々な出来事、そしてその関係の変化。

そんな変化を見事に演じ、これまでの女優生活の集大成ともいえる様々な表情を見せてくれるヘプバーンですが、どんな状況でも変わらずキュートなのは流石!

ただこの時期、彼女は実生活でも夫婦関係に問題を抱えていたということを知ってからこの作品を見ると気分は少々複雑。

事実、この作品に出演した年を最後にしばらくスクリーンを離れることになったのも、この役を演じることで自身の生活、そして女優生活に一旦区切りをつけたかったのかもしれません。

その後は家族第一の生活を、さらにユニセフの活動を通じて世界の子どもたちのために人生を捧げることになった彼女にとって、本作はある意味人生の転換点になった重要な作品のように思えます。

p.s.
若き日のジャクリーン・ビセットの出演もチョットしたお得感w
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