第二次世界大戦時にナチスによって行われたホロコーストの全貌を追求するドキュメンタリー。
本作の監督のクロード・ランズマンが様々な立場の人をインタビューしていく。
全編4部構成で9時間半強の超大作。
製作は1985年と言う事もあって関係者がまだまだ存命で、証言は貴重なものだ。
インタビューした人は
収容所内で歌が上手いから死なずに済んだユダヤ人、
同胞が次々に殺されその遺体の処分をするユダヤ人、
言い逃れをするナチス関係者、
ユダヤ人を妬んでいるポーランド人、
ワルシャワのゲットーでレジスタンス活動をしていたユダヤ人。
思い出したくないというユダヤ人に半ば無理矢理だけど涙ながらの証言を聞くのは胸がよじられそうになるし、
薄っぺらい言い逃れをする偽善者のナチス関係者には攻撃的に食い下がる。
英語、ドイツ語、フランス語を操り、インタビュアーとしてもランズマン監督は素晴らしかった。
〜印象に残ったエピソード〜
トレブリンカ絶滅収容所でのガス殺は車の排気ガスによる一酸化中毒によるもの。
トレブリンカ絶滅収容所がベルトコンベヤー方式でアウシュビッツは殺人のファクトリー。
ガス室に送られる妻の髪を切る床屋仕事をする夫。
死体を埋めるがガスで膨張し、地面な波打つ状態。
ユダヤ人は金持ちとかキリストを殺したのはユダヤ人だとかポーランド人の差別意識。
ワルシャワのゲットーで
「あの人は生きているけど、今死にゆく人ですよ」と生死の生々しさ。
臭いの表現はホロコーストの映画を観るよりよりリアルに感じた。
「SHOAH ショア」とはヘブライ語のホロコーストの意味。