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とべ! くじらのピークのmitakosamaのレビュー・感想・評価

とべ! くじらのピーク(1991年製作の映画)
3.4
これ森本晃司が監督なのか!今の路地裏系サイバーパンクなイメージからは程遠い作風だ。制作スタジオは何処なんだろう?4℃じゃ無いみたいだけど。思いっきりアナログなアニメだもん。

スペインの港町が舞台。海の事故で父を亡くした少年カイは、弟モイトは岩場で傷ついた白クジラの子供ピークを助ける。
モイトが虐められた流れでピークの存在を知らしめてしまい、口車に乗せられピークはサーカス団に引き取られてしまう。
守銭奴な団長とワガママ娘マイラに翻弄されるが、オカリナでピークとコンタクトが取れるカイは逃そうと奮闘。
心変わりしたマイラと共に母クジラのいる海へピークを返す。という内容。

キャラクターデザインがうつのみやさとる。御先祖樣万々歳とかが有名だね。
シンプルな絵柄故に、動きのアニメーションが細かい!キャラクターの描写も丁寧なんだよなー。

そして思いの外、嫌なキャラクターが多い。学校のイジメっ子も最後まで嫌な奴だし、サーカスの団長も金のために子供に嘘をつく酷い人だ。主人公のカイだけが異常に正直者で損している感じ。

スペインという地の利を生かした設定も面白い。嵐で海が荒れた時の対応の水門が壁になり簡単にピークを逃してあげられないなど、物語に必要なピンチを上手く構成しているね。

バニパルウィットなどと同じく隠れた名作。
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