いろどり

クリムトのいろどりのレビュー・感想・評価

クリムト(2006年製作の映画)
3.4
最近、リビング用にクリムトの絵画を購入した。クリムトのことをもっと良く知りたいと思い、本作を鑑賞。
クリムトの顔写真を見ると、ジョン・マルコヴィッチに似てる。ジョン・マルコヴィッチの写真と言われたら信じてしまうほど似てる。特に目元はそっくり。なのでジョン・マルコヴィッチは適役中の適役だと思う。知性と色気を含んだ眼差しがセクシー。

エゴン・シーレや創世記の映画の魔術師
ジョルジュ・メリエスが出てきたり、予約なしで行ったサロンですでにアドラーが使用中で入れなかったり、当時の芸術家や文化人の名前が次から次へと出てくる。あの人もこの人もこの時代なんだ、と点と点がつながるようで嬉しくなる。

キスした女性に馬の臭いがすると言われるところは笑ってしまう。クリムトは体臭が強かったとのこと。古代エジプトや日本の文化に影響を受けているクリムト。屏風や扇子が飾られた部屋で、和服を着ているシーンがあったのは嬉しい。

伝記だと思って観ていたけど、途中から幻想の世界へ。というより、これは始めからクリムトの死の床での夢の世界だった。梅毒に心身を侵され、記憶と幻想が入り交じるクリムトの夢は、裸体の女性、数えきれない子供の母親、怒り、悲しみ、矜持の羅列で、迷子の世界だった。寄り添うのは猫のみ。

エゴン・シーレ役のニコライ・キンスキーが突き抜けた感じで思い切りエゴン・シーレだった。顔も尖った雰囲気もそっくり。この名前はもしやと調べてみたらやっぱり!クラウス・キンスキーの息子だった。
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