タンシロ

ブラックホーク・ダウンのタンシロのレビュー・感想・評価

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)
4.1
ソマリア内戦に米軍が介入した事実に基づく話。市街への急襲作戦が、ヘリを堕とされたことで市街地籠城作戦に転じる。
倫理と大義に従い殺生感が達観した米兵と、衛生兵も負傷者もなりふり構わず打ちまくるソマリアの民兵。
想像するだけで恐ろしい状況の中、助けに来るはずのヘリも車両も、到着の道中で更なる奇襲に合い、戦域が拡がり各部隊は孤立していく。死体や負傷兵を守りながらの戦闘、弾薬も限られ、部隊の連携や増員もままならない。状況的にも精神的にも追い詰められていく兵士たちの描写が印象的だった。そして全体を通して、戦闘シーンの臨場感が凄い。映画を観ていることを忘れるくらい。これが再現ということが信じられないくらいに臨場感が凄かった。
ソマリアは政府がない、軍隊もない。ただただ一般市民が武装し、治安もクソもない国。果物を売るように装填済みの銃が売られ、試食をする様に空に向けて弾を発射する。その中で、老人も子どもも赤ちゃんも暮らしている。そして多くの一般市民がその弾に己の肉体と家族、友人を引き裂かれている。
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