戦闘描写のクオリティが高く、実話ですがそれがまた壮絶…。ソマリア内戦に介入したアメリカ軍が1993年に直面した地獄絵図。目を覆いたくなるような過酷な戦場の現実を伝える戦争映画を『エイリアン』（'79）のリドリー・スコット監督が描きました。
ソマリア内戦からアメリカが撤退するきっかけとなった戦闘を通じて、戦争の非情さや特殊部隊の勇敢な戦いを迫力ある映像で描きながら、内戦介入の実態とその失敗を浮き彫りにしています。
内戦を早期に終結させることで、飢餓で苦しめられている難民を救う。そのために内戦のきっかけを作った将軍の側近を捕えるという30分で済むはずの作戦なのに、想定外の状況が発生し米軍を中心とする多国籍軍とゲリラとの市街戦に展開してしまう、という話。
墜落したヘリや地上隊が完全孤立して、重体となった負傷者への治療もできず、湧いてくるように増えていくソマリア兵に四方を囲まれてジワジワと追い詰められる手詰まり状態が見ていてつらい。
そんな絶望的な状況でも味方の救出に諦めないひたむきな姿勢に心が打たれました。
