木蘭

ヘルレイザー4の木蘭のレビュー・感想・評価

ヘルレイザー4(1996年製作の映画)
3.4
 終わりよければ全て良し。シリーズ(実質)完結編の第四作。

 地獄、ピンヘッドと来て、最後に残ったパズルボックス「ルマルシャンの箱」の来歴を巡る物語。
 箱を作った職人一族と地獄との戦いを、1786年パリ、1996年ニューヨーク、2127年宇宙ステーション「ミノス」と時代と場所を変えながら描かれる・・・

のだが、シリーズを通しで観ると突然の低予算映画化が著しくてビビる。

 プログラムやネットに書かれている情報を読めば、当初のプロットから随分と変更があったのは良くある話としても・・・途中で予算が不足したり、編集段階で監督が降板したり、追加撮影の末に編集でいじりまくって110分が85分に短縮されたり・・・と紆余曲折があった事が分かる。
 そのせいなんだろう、「なんで、こうなったか」という肝心な部分が描かれなかったりするのだが、こちらももう大人なので「多分、そんな事なんだろうなぁ」と察して観れるので、道理は分からんが話が分からなく成る事は無い。
 ディレクターズカット版の110分バージョンも観てみたいなぁ。

 壮大な歴史ロマンなのに魔導師が3.5人(?)と1匹だけ・・・というのは寂しいが、興行的に必須と呼び出したけど、ピンヘッドは物語上いらなくない?

 前作のラストで登場するビルが舞台の一つになる程度で、過去作との繋がりも、なんならテーマソングの使用も少なく、シリーズとしては寂しいのだが、デ・リール公爵が箱を用いて悪魔を呼び出す下りとかは萌えるし、何より初公開時に劇場で観た時にはラストで「わぁ...」ってビックリたまげたので、3より好き。

 それはそうと地獄のプリンセス・アンジェリーク演じるヴァレンティナ・ヴァルガスさんは、『薔薇の名前』の薔薇の人か・・・どっちも無垢な魂を惑わす鎖に繋がれた悪魔役だよなぁ。
木蘭

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