あっくん

この道は母へとつづくのあっくんのレビュー・感想・評価

この道は母へとつづく(2005年製作の映画)
4.6
中古DVD良作発掘作品‼️
新聞に掲載された一人の小さき孤児の実話を基に作られた美しい愛の物語…。(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)

📁あらすじ
ロシアの辺境の孤児院で育ち、イタリアの富豪夫婦に引き取られることが決まった6歳のワーニャ。
ある日、先に養子にもらわれていった友達の本当の母親が孤児院に現れた事がきっかけでまだ見ぬ母への思いが募る。
自分が養子にいった後に本当の母親が現れたらと不安になったワーニャは、独自で母親を探す事に…。

📁感想
まるで社会派ドキュメンタリーを観ている感覚でした…。
静かに…そして淡々と…。
寒々しい地域である極寒ロシア…。
今尚も続く当時からのロシアの社会情勢を背景の中で生きる子供達…。

ロシアは地域での貧富の格差が幅広く、4人に1人の子供が貧困ライン以下で暮らしていると言われ、その多くが薬物やアルコール依存症などが原因でケースワーカーから子育ての権利を奪われた親の子供達や貧困や劣悪な生活環境のために孤児院に入居せざるを得なかった子供達等の社会的孤児です。
本作での微かな台詞からほのめかしていましたが、最悪の場合は臓器売買として売られるケースも…。
(正にロシアの社会主義国家のダークサイド…。)

子供達は幼い子から青年の年長者まで幅広く、子ども達の目がその過酷な環境で生きているのかが物語っています。(・・;)
毎日毎日が戦いながら生きて、孤児院ならではの社会的ルールで日々街で仕事をしては助け合って食いつないでるという心苦しい現状。(まだ読み書きすらも教えてもらってない姿も…。)

そんな現状で生きるワーニャは一途に母の事を純粋に想い、逞しくも大人顔負けで行動をする6歳の男の子。
周りの大人達は養子縁組(子供達=商売道具)という欲しか考えないダークな存在。
周りの子供・青年達も乱暴で厳しい言動と不器用な優しさを感じ、そんな中でワーニャを手助けする青年組の少女(娼婦)イルカの優しさが印象的。

後半30分からはワーニャの“母をたずねて三千里”が始まります…。
列車、道中で出会う色んな人達…。
優しい人がいれば、悪だっている…。

追われる身の中、追い込まれて自ら怪我をした時にワーニャの母親への愛に焦がれる想いと様々な感情を隠していた本心が爆発💥💥Σ(゚Д゚)

「ママに会いたいんだ‼️」

必死の抵抗で勇気を振り絞った行動に、心からグッとくるものを感じます✨。゚(゚´Д`゚)゚。
小さな体から溢れるパワーと純粋で美しい愛がここにありましたね🌟

ラストはワーニャ自身が語る手紙であっさり終わってその時にピンとこなかったのですが、手紙からはコーリャの未来が描かれている事を後に知りましたので、ネタバレコメントに載せときます🎶

たった90分程でしたが、色々と考えさせられましたね…🤔

📁キャスト
監督はアンドレイ・クラフチュク。
本作の撮影場所は実在の孤児院であり、その孤児院で生活する子供達にも役を演じる等も行っています。

主人公は何百人の候補から選ばれた、存在感溢れるワーニャ役のコーリャ・スピリドノフ。
養子仲介業者のマダム役のマリヤ・クズネツォーワ
その相棒グリーシャ役のニコライ・レウトフ
本作の中で印象的だったのは同じ孤児院出身のお姉さん二人。
子供達のお世話する青年組のナターハ役のポリーナ・ヴォロビエワ。
ワーニャを応援する青年組のイルカ役のオルガ・シュヴァロワ。
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