19歳の少年と79歳の老婆との素敵なラブストーリーです。
母親の勧めでハロルドはいろんな若い女性とお見合いをするのだが、
そのたびに自殺する。
全身に火をつけたり、鉈で腕を切り落としたり、
『スキヤキ・・・』と叫びながら切腹したり。
こんな調子だから精神分析医に通ったりしているが、
そんな医者の言葉より、
79歳のモードの言葉や行動に感化される。
二人の夕陽の沈む海岸でのデートの場面がとても美しい。
夜の遊園地を楽しんだ後、夜空に花火が打ちあがる。
ハロルドは霊柩車が好きで母親が買ってくれた高級車ジャガーを、
霊柩車仕様に改造したりする。
この車が、
とてもいい味のラストシーンにつながっていくあたりの脚本もうまい。
(脚本:コリン・ヒギンズ)
ワンカットだけ、モードの腕にアウシュビッツ収容所の文字の刻印が写る。だから彼女の言う『自由』の意味が重く真実味を持つ。
浮かれただけの恋愛映画と違うところで、とても70年代らしい。
とてもチャーミングでハートウォーミングな佳品です。
多くの人に観てもらいたいな。