Eike

ハロルドとモード/少年は虹を渡るのEikeのレビュー・感想・評価

4.5
ファニーでキュート、でも悲しくて切ない物語。
長く「カルト映画」的に扱われAFI(アメリカ映画協会)選出によるオールタイムベスト10(ロマンチックコメディ部門)では現在でも第9位にランクイン。

ハル・アシュビー、コリン・ヒギンズ、バッド・コート、ルース・ゴードンそしてキャット・スティーブンズ。
何の予備知識がなくたって構いません。
「生きること・年を重ねること・死ぬこと・愛すること」に対して何か思う事があるなら見ておいて損はない作品かな。

しかし堅苦しいお話ではないのがエラい。
80歳の無神論者の女の子(ホントにそんな感じなのだ)と死と破壊に魅入られた20歳の若者のロマンスの物語。

これほど見終わって語るべき事の多い、でも語る事の無意味な映画も珍しい。
本当に見る人によって全く違う感想が生まれる作品だという気がします。

ハロルド:ねぇ、モード。祈ったりする?
モード: お祈り?いいえ、...話をするだけ。(微笑)
ハロルド:(微笑んで)話すって、神様と?
モード: ...生命とよ。

初めて見た時、僕は笑って、少し泣きました。
若いころに観れて良かったと本当に思う数少ない作品の一本です。
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