よしまる

暴力教室のよしまるのレビュー・感想・評価

暴力教室(1976年製作の映画)
3.6
松田優作の主演2作目、そして舘ひろしのデビュー作、同い年にして教師と生徒という役どころながらがっぷり四つに組んだガチンコ対決を楽しめる娯楽映画だ。

映画会社というとアメリカのメジャーなどは大きすぎてなかなか特徴を見出せないのだが、日本では観ただけでどこで作ったかすぐわかるところが面白い。中でも「東映らしさ」というのは世界を見渡してもわかりやすいクセがあり、唯一無二の存在。ヤクザものから様々なバラエティを経て70年代も後半に入り堂々たるヤンキー物を松田優作で作り上げたというだけで拍手喝采と行きたいw

まだノーヘルが許されていた時代、でもいわゆるヤンキーファッションはまだで、ライダースに身を包む不良たち。仮面ライダーの劇伴で有名な菊池俊輔氏の叩きつけるようなサウンドは合ってるんだか合ってないんだかわからないがとにかくテンションをアゲてくる。
ボクサー上がりという設定の優作のアクションとキレキレのカメラ、ああ、こんなんで痺れてていいのかと思いながら目が離せないw
そして対する舘ひろしのつぶらな瞳の可愛いことこの上ない!
ただ欲しくなっちまっただけでレイプ、そして彼なりの責任感や正義感で、泣き言も言わず言い訳もせずただ態度だけで己を貫く男の美学。彼の心情は観客に一切説明されることはない、そこがいい。優作はさすがの存在感で、すでにとぼけた言い回しや凄みのメンチ切りも絶好調だが、素人同然の芝居なのにやけに胸に響く舘ひろしとクールスの愉快な仲間たちが愛しすぎる。

東映が誇るB級アクションの星、岡本明久監督はもっと評価されても良いと思うのだが、これを読んですごい作品なのか!と思って観てズッコケても一切責任は負いませぬw