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愛の陽炎のtakのレビュー・感想・評価

愛の陽炎(1986年製作の映画)
2.6
幼い頃から不思議と松竹系の映画館に行くことはなかった。「男はつらいよ」を毎回観に行く一家でもなかったし、東映や東宝と違ってお子ちゃま路線の作品を上映しないし。大学生になった僕は、初めて松竹の映画館に足を踏み込んだ。お目当ては「砂の器」のリバイバル。勇んでプレイガイドに前売券を買いに行った。二本立てかぁ…「愛の陽炎」何これ?券にはこんな文句が。
ー永遠の名作と青春映画の傑作!豪華二本立てー

この怪作が松竹系映画館で初めて観る映画になるとはw。

製材所で働くヒロインルミ子は、運送会社に勤務する彼氏がいる。結婚の約束をしている二人。いつか高台の土地を買って家を建てたい、と貯金をしていた。しかし彼氏の評判は決してよくない。土地を買う交渉をするからと言う彼氏にルミ子は手付け金を預けるが、地主が拒否していることと、彼氏に妻がいることが発覚。ルミ子は仕返ししたいと祖母に相談する。すると祖母は「五寸釘を打つってのはどうだい?」と言う。そしてルミ子は、深夜に白装束でわら人形を木に釘で打ち付ける、"丑の刻参り"を始める。

80年代のアイドル初主演映画はコミックの映画化(「生徒諸君」や「はいからさんが通る」とか)が一般的だった時代に、わら人形に五寸釘!?と度肝を抜かれた。タヌキ顔の伊藤麻衣子(かなり好み♡)、笑顔はもちろんいいんだけど、真剣な表情が違った魅力があって好き。祖母役の北林谷栄の怪演が忘れられない。ラストにはビターな結末が待っている。

お目当ての「砂の器」にもちろん感動したんだけど、それが薄れちゃうくらい、別な意味で忘れがたい映画でありました😶
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