Kumonohate

悪名無敵のKumonohateのレビュー・感想・評価

悪名無敵(1965年製作の映画)
3.7
シリーズ第11作。朝吉(勝新太郎)と清次(田宮二郎)が身体を張って救い出そうとする売春婦が八千草薫、その売春組織の元締めの親分が藤村志保という、これはもう願っても無い配牌。

初期作に見られたような、やむにやまれぬ事情で苦海に身を落としているといった無残さや哀れさはほぼ消え失せてしまっているが、それでも誰がどう見たって身体を張ってでも助けたくなる売春婦。初期作に見られたような、任侠の筋を通すべく朝吉に厳しく対峙しながらも情けをかけるといったシビアさはほぼ消え失せてしまっているが、それでも誰がどう見たって凛々しい女親分。もはや初期のムードとは違い、エンタメ活劇化しているシリーズとしては、当然かつ最良の帰結かもしれない。

まあ、女親分と朝吉が情を交わすのがわかりきっている(実際そのとおりなのだが)だけに、仇役がこれまでほどは憎ったらしくなくて、そのぶんエンタメ作にしてはクライマックの爽快感が薄いのは致し方ないところ。
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