アーリー

トーマス・クラウン・アフェアーのアーリーのレビュー・感想・評価

3.4
2023.4.30

久しぶりのピアース・ブロスナン。スティーブ・マックィーン主演作のリメイク。

ブロスナンが盗む方なんか。あの降りてくる防火扉的なものの下を転がって部屋の内側に入るシーン。あの身のこなしの軽さはやっぱり007。すっごいスマート。ブロスナンにしか出せない軽やかなボンド。
 まぁ今作はもちろん007ではなく、主役はボンドではない。どちらかというとレネ・ルッソがそれ。ブロスナンを追いかける方。この2人の騙し合いというか、駆け引きを見ていく作品なんかなと思ったけど、すぐレネ・ルッソのほうがデレてしまった。ただただかっこよくてスマートなブロスナンと、彼に振り回されるレネ・ルッソ。なんか拍子抜け。2人とも45.6歳。そんな簡単な感じで恋してほしくない笑
もっと大人の余裕と魅力をお互いに出しながら、惹かれあっていくみたいな感じがみたかったかな。こんなに女性向けな恋愛ものにするんやったらキャストもうちょい年齢若くした方がウケたと思う。

あと脚本的に違和感を覚えるシーンがかなりある。なんでレネ・ルッソは最初に自分の正体を明かしたのかとか、最後の美術館で背広にハットを被った男がいっぱいいる中でのあれこれとか。あと刑事はレネ・ルッソ自由にさせすぎやし、レネ・ルッソはブロスナンと会いすぎ。そもそも刑事がでてくるってなに。警察ではないってことかな。その割には結構リーダー感あったけど。最後の美術館の件はブロスナンが中に入った時点で入り口封鎖すれば結局逮捕できると思うけどな。爆発音がなった段階でお客さんたちが外に逃げるのを止めるのは無理やったんかな。ラストもいまいちよく分からんかったし。あれ元のモネの絵も色落ちちゃうんじゃないんかな。詳しくないからよく分からんけど。ただそういう見せ方は面白かったし、カッコよくはあった。

色々粗はありつつも、エンタメ性は充分あった。なぜかレネ・ルッソのトップレスがかなりの頻度で出てくる。濡れ場も多いし、ブロスナンは終始スマートやし、やっぱり女性層を意識した作りなんかな。監督前作「13ウォリアーズ」は男のロマン映画やったけど。それじゃ売れへんかったから女性向け作ってみたとか。ブロスナンをメインにしてアクションとかも面白そうとやし、ジョン・マクティアナン得意分野やろって思ったけど、あんまり改変し過ぎんのもあれか。元の作品は1968年に作られてるから、表現の仕方が結構違うと思う。そっちの方と見比べてみたいな。
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