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Mのeop421のレビュー・感想・評価

M(1931年製作の映画)
5.0
幼い女児ばかり狙う殺人事件が発生。警察も当てにはならず、なかなか犯人を逮捕できません。警察がうろつくことで暗黒街の犯罪者が動き辛くなったため、彼らが宿無しの市民を募って独自に犯人探しを始めるのです。犯罪者側の理由で犯罪者を追うなんてなんだか皮肉…。でも幼い命を守ろうという心掛けは立派です。影の使い方や口笛など不気味な雰囲気の出し方、カメラのアングルなども興味深かったです。一致団結して犯人を仕留めたけれど、ここからが本当の恐怖が始まるな、と思いました。確かに子供を殺された親からすれば犯人を殺したくなるでしょう。でも犯罪者はやはり法の下で裁くべきで、怒りと復讐にかられた大衆に晒したら何が起こるか想像がつきます。犯人の告白のシーンも怖いですがこの公開裁判のシーンも怖い。幽霊なんかより生きた人間のほうが怖いとはこういうことかな、と思いました。
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