男はくらいよ監督さそり

Mの男はくらいよ監督さそりのレビュー・感想・評価

M(1931年製作の映画)
4.0
約100年前に幼女連続殺人事件を描き、それは日本でもM宮崎勤によって実行された。もしかしたら宮崎もこの映画を見ていたかもしれない恐怖。
殺人鬼が自らを弁護し、正当化しようとするシーンが一番恐ろしく、ヨーダのモデルでもあるピーターローレの演技は映画史に残る変態演技!
あんな目立つ顔の犯人が幼女連れて街を白昼歩いてても捕まらないのは最早ギャグ!実際追い詰めたマフィアの件はギャグかと思った。
ドイツ語なので激すとヒトラーそっくり!市民たちの私設警察がナチスを思わせる。
ラングの演出は突然無音になったり上からの撮影や光と影を使った表現主義で冴え渡ってる。
メトロポリスもそうだが、時代を予言してる鋭さ!
当時の犯罪も捜査もアナログ。セキュリティが厳しいようでユルユル。乞食を使って監視とか爆笑した。弁護士による犯罪者への精神異常による無罪主張は今でも変わらないのが恐ろしく、デマや思い込みによる冤罪もSNSで変わっていない。先見の明の凄さ!
兎に角映画史に残る変な映画なのは確か。口笛の曲ペールギュントが黒沢清監督が危ない話でオマージュを捧げていた。あと、ダークナイトに多大な影響与えている!